
フローリング:傷と共にある日々の暮らし
注文住宅を建ててから数年が経ち、我が家のフローリングは子供たちが成長するにつれて、フローリングについた傷や凹みは数えきれないほどになりました。
傷だらけ「思い出」
一番多いのは、やはり物を落としたことによる凹みです。おもちゃ、本、ハサミ、時にはコップまで。硬いものがフローリングに直撃するたびに、心の中で「あぁ…」とつぶやきながら、深い凹みや小さな凹みがまた一つ増えていく度に最初は一つ一つの凹みが気になって仕方なく、傷を目にするたびにガッカリしたものです。
そして、それに伴う無数の引きずり傷が新たな悩みの種となりました。最初はなんだろう?と分からなかったのですが、なんと子供がランドセルを引きずった後でした。まるで地図を描くかのように、細かい線がフローリングの一部に…。最初は「気を付けて!」と何度も注意しましたが、子供たちも悪気があるわけではなく、ついつい引きずったり、勢い良くランドセルを下ろしたり、次第に私も「まぁ、仕方ないか」と諦めの境地に至りました。
今では、これらの傷や凹みは、もはや「フローリングの傷」というよりも、我が家の「思い出」のようなものと半分慰めていましたが、慣れ、というのは恐ろしいですね。もはや、少々の傷では動じなくなりました。

無垢材への憧れ、フローリングのメリット
注文住宅を建てる際、フローリング材を選ぶ段階で、無垢材への憧れも少なからずありました。無垢材であれば、多少の凹みなら水を含ませてアイロンやドライヤーなどの熱をかけることで修復できたからです。しかし、予算やメンテナンスの手間を考えると、現在のフローリング一択でした。
確かに、フローリングは、一度ついた凹みや深い傷を完全に修復することは難しいです。特に、表面のコーティングが削れてしまうと、元に戻すのは至難の業。
しかし、フローリングには、そのデメリットを補って大きなメリットもあり、それは、水分をこぼした際のお手入れの楽さです。我が家では、子供たちがジュースをこぼしたり、私がうっかり水を飛ばしたり、油が飛んだりすることは日常茶飯事、特にキッチンでのシンク周りはよく水が飛び散りまくり、そんな時でも、サッと拭き取るだけでシミになることもなく、特別な手入れも必要ありません。これが無垢材だったら、すぐにシミになってしまったり、反りや膨れの原因になったりする可能性もあり、もっと神経質になっていたと思います。
一度、衣料用の漂白剤を大量にこぼしてしまったことがありました。洗濯機の槽を漂白しようと洗剤を入れ、糸クズフィルターのゴミを確認していなかった事に気づき、蓋を開けた瞬間、ドバっとフローリングに。かなり焦りましたが、すぐにタオルで拭き取り、何度も水拭きをしたところ、変色することなく無事で、本当にホッとしました。あの時は、フローリングにしていて本当に良かったと心底思いました。
また、コロナ以降は、子供達の手指の消毒が日常的になり、アルコール成分の消毒液を垂らしてしまうことも増えました。市販の消毒液の中には、フローリングを変色させるものもあると聞きますが、我が家で常用している消毒液がフローリングに落ちても、今のところ変色したことは一度もありません。これも、良かったと思えた点です。

傷だらけのフローリングと聞くと、ネガティブな印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、我が家にとっては、この傷の一つ一つが家族との思い出であり、だからこそ傷も含め愛着が湧く。フローリングは、これからも沢山の傷を刻んで行くと思います。
本当に慣れというものは、不思議で、時が経つにつれ気にならなくなり、あの時、何であんなに気にしていたんだろうと思うこともしばしば、実際気になっていませんしね。
今では、フローリングで良かったと思っています。

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